多くの事実と一つの真実

介護の仕事を行っている中で、時にお客様から要望や苦情をいただきます。

それらは、仕事の改善を図る上で、とても大切な情報（時には苦い情報）なので、

出来れば職員間で情報を共有して、より良い介護サービスを提供できるように取り組むようにしています。

そういった中で、時にお客様が感じること、職員が感じること、時には関係者が感じること、一つの事象を見る中でも

三者三様の解釈が行われる場合があります。

すなわち、それぞれの当事者には、それぞれの感じる事実があるのです。

では、真実はいったい何なのか、また、真実とは本当にあるのか　と考えてしまいます。しかし、利害関係が相反したり、絡み合ったりしている場合でも、各当事者が粘り強く対話を重ねていくことで、真実らしきものが見えてくる気がしています。

それは、お互いの状況、感じ方等をよく理解する時に、お互いの視点が少しずつ一点に集約されていくような感覚です。その一点は真実とは言えないかもしれませんが、物事への解釈の視点は定まる感じがしています。

私たちはその視点を土台として、どのように関係を変化させるか、改善されるか、等を常に考えていくことになります。

福祉や介護の仕事はこういったことがら頻繁に起こります。

まさに人を見る目、感受性、表現力、等等が仕事の中で磨かれる現場であるとも言えます。

一つの真実は見いだせないかもしれませんが、一つの視点を基本として、共通の地盤に立ってケアができるように日々精進したいものです。