初めてのお別れ　　山口　貴子

訪問介護事業所に勤めて、初めて別れというものを経験しました。
利用者様の急変により、自宅での生活から、施設入所に変わり、ケアが終了となってしまった為です。その利用者様は、少し気難しいところもありましたが、優しいと思われるところも垣間見ることが出来、いつも、顔色を伺いながら、ケアする時もありましたが、その方と触れ合わなければ、少し寂しいという感情も芽生えてきました。そうした中、たまたまケアに入った際、1人で入浴中に湯船から立てなくなり、何時間も中にいたところに、ケアで入って私に出くわすという事態になりました。その後救急搬送に至り、入院、施設入所ということで、ケアは終了となってしまいました。アッという間の出来事で、胸にぽかんと穴が開いた面持ちで、とても寂しく感じました。でも、そのような別れを糧にして、さらに自分のスキルのステップアップに繋げていけるとよいなと思いました。